石焼き芋がおいしい、遠赤培煎のコーヒーがうまい、おかゆが……といっているうちはよいのですが、小さなセラミック片を水の中に入れておくと水が活性化するとか、パンと一緒にしておくとカビが生えない、ウイスキーがおいしくなる、さてはシーツや下着、くつの中敷きまで現れて、肩こりによいなどといわれると、ちょっと信じ難くなります。そこで、盛大にPRし、参考書まで売っている品々を買い集め、さてはさてと種々試してみました。まず、水を活性化するというセラミック片、五百円玉大の白い磁器の板は、一個二千円也。また、コップをのせておくだけで水が活性化するという銀色の紙は、B5の大きさで一枚六百円。水を活性化するという活性化の意味からしてよくわかりません。具体的にはカルキの臭気が抜けて味がまるやかになるとか、お風呂のお湯は温泉のように体がよくあたたまるとかの効用があるということです。また、花びんの中に入れておくと、花が長くもつ、いちごと一締にしておくと、いちごのいたみがおそくなる等々の効用があるといいます。このような効用については、ラピスラズリーという、群青という日本名の青い石にも同じようなことがいわれています。
いろいろやってみた結果、花びんは、毎回漂白剤を使ってきれいに洗ったものに生けること、生けるときは、ただの水でよいから水切りをすること、花びんの中に焼き明ばんを大豆大からうずら豆大くらい、花びんの大きさに応じて入れますが、一応、茎にこすりつけるようにしてから入れると効果的です。水を毎日とりかえる必要はありません。茎から出る分泌物が収れん作用で出なくなり、その結果、水揚げが良好になるようです。明ばんは昔から水の濁りを防ぐ作用はきいています。なんだか訳はわかりませんが、大声でさけび歩きたいほどのよい方法です。アレンジのお花を頂いたら、輸送中は水を十分に与えられていないことが多いので、下のスポンジに十分の水を加えます。そして、朝、昼、晩と気がついたときに霧吹きで水をかけます。五日くらいたつと花のいくつかはしおれてきますので、新しい花とさし替えます。こうして手入れをすれば十日は楽しめる筈です。もっとも、花屋によっては元気でない花を使う場合もあって、届いたときは元気そうでも、本日が寿命という花ばかりだともちは悪いものです。花は、近ごろでは化学薬品で処理されてから出荷されますから、鮮度はよくても老化していることがあります。遠くオランダやオーストラリア、南米からも来るのですから旅の疲れもあります。それでもちゃんとした花屋の花はしっかりもちますし、すぐしおれる店もありますし、安くてももつ花もあります。値段と目的によって店を使い分けしましょう。花屋は儲けが多いようでも重労働でたいへんな仕事です。